2009 Fiscal Year Annual Research Report
中・高生の幼児とのふれ合い体験学習について実践構造の再検討
Project/Area Number |
18330186
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
岡野 雅子 Shinshu University, 教育学部, 教授 (10185457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 葉子 千葉大学, 教育学部, 教授 (30282437)
倉持 清美 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (30313282)
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Keywords | ふれ合い体験学習 / 中学生・高校生 / 幼児 / 幼稚園・保育所 / 家庭科 / 共感的応答性 / 発達に関する知識 / 職場体験学習 |
Research Abstract |
家庭科の保育領域は学校教育の中の教科として保育教育をになってきた実績をもっているが、新『学習指導要領』(中学校平成20年3月告示、高等学校平成21年3月告示)では、中学校で「幼児とのふれ合い体験学習」は必修化され、高校「生活デザイン」においても明確に位置づけられている。時代の要請である「幼児とのふれ合い体験学習」の中・高生にとっての教育効果について検討した。 (1)親になるために必要な適性として「幼児の要求や感情の表出を理解し、応じようとすること」すなわち「共感的応答性」が極めて重要であるという認識の下に、その発達と影響要因について探った結果、共感的応答性は、中学・高校・大学生と年齢上昇とともに発達していくこと、および、幼児の発達に関する知識を身に付けていることや親になることを肯定的に捉えていることが共感的応答性を高めることが明らかとなった。(2)家庭科の「幼児とのふれ合い体験学習」を含む保育学習の前後を比較した結果、共感的応答性は幼児への関心と幼児の発達に関する知識の両方が上昇した場合に大きく上昇することが明らかとなり、また、中学生男子群は得点が低いが、保育に取り組む入り口と言える幼児への関心が学習後に上昇し、幼児の発達に関する知識も上昇したことは、すべての生徒が学習する家庭科の保育学習の有効性を示唆していると言えるだろう。(3)「幼児とのふれ合い体験」は職場体験学習の位置づけの下でも行われていることから、家庭科と職場体験のそれぞれの実施前後を比較した結果、幼児の発達に関する知識の得点は家庭科群では事後に上昇したが、職場体験群では事後の変化が認められなかった。したがって、家庭科における「幼児とのふれ合い体験」は知識と体験の双方によって一層の教育効果をもたらしていると考えられるだろう。
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Research Products
(3 results)