Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
臼井 三平 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90117002)
後藤 竜司 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30252571)
榎 一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20146806)
坂根 由昌 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00089872)
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Research Abstract |
1.コンパクト複素曲面上の反自己双対双エルミート構造(asd-bh構造)は,超エルミート構造から来る場合を除くと,VII型曲面上にのみ存在することが知られている.さらに,Pontecorvoの結果により,このような構造を持つ曲面は,必ず非連結な正因子を持つ.曲面が極小である場合は,さらにそれらは双曲型ないし放物型の井上曲面に限られる.逆に,放物型井上曲面についてはLeBrunによりasd-bh構造の例がすでに構成されている('91)が,それ以降いかなる例も構成されていない.本研究ではPontecorvo氏と共同で,すべての双曲型井上曲面に対し,その上のasd-bh構造のm次元族をm個構成し,放物型曲面に対しても,LeBrunとはまったく異なる構成法でasd-bh構造のm次元族を構成した.(ただし,mは曲面のべッチ数)さらにこれから始まって,極小でないより一般のVII型曲面上にもasd-bh構造を構成するなど,その結果を一般化し,また特殊な場合には,さまざまの興味ある精密化を得た.これらすべてを1論文にまとめ投稿した.この結果は新しい一般化Kaehler構造の例を与え,この点からも意義がある. 2.上の方法は,半井上曲面上に自己双対エルミート構造をも与えるが,この過程でコンパクト複素曲面の変形族で,代数次元が下半連続かつ不連続である例を発見した.このような例はこれまで知られていなかった.またKaehler多様体の族にたいしてはこのような現象は起こり得ない. 3.上記研究に関連して,放物型井上曲面の自己同型群を決定した.
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