2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340021
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
津田 一郎 Hokkaido University, 電子科学研究所, 教授 (10207384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小室 元政 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (00186818)
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Keywords | カオス力学系 / 非線形科学 / 複雑系科学 / 科学技術数学 |
Research Abstract |
カオス的遍歴の機構に関する基礎研究を行なった。さらに、前年度に引き続き、脳神経系の遷移現象を説明する数学モデルの構築とその解析をカオス的遍歴との関係において行ない論文にまとめた。 この論文では、カオス的遍歴現象の機構に関する5つのシナリオをまとめた。さらに次の研究を行った。 モデル1として、二次元ベクトル場が多数結合した大自由度のベクトル場を定義し、そこにおける複合的なミルナーアトラクターからいかにカオス的遍歴が生成されるかを調べた。具体的なモデルとしては、代表者らが提案したμモデルを研究した。不変多様体の存在を示し、それをベースにしてイン・アウト間欠性が起こる機構を明らかにした。また、間欠的な振る舞いに特徴的にみられるべき法則が存在することが分かった。シミュレーションは有限個数のμモデルの結合系であるが、個数無限大の時の個数と結合定数の間にスケーリング則が成り立つことが分かった。自由境界条件をとることで、無限個数の極限ではノイマン条件を持つ反応拡散系に移行することが示すことができた。この結果の論文を投稿準備中である。 モデル2として、ミルナーアトラクターを有する二次元写像の結合ベクトル場を構成し、ミルナーアトラクターやフラクタルベイシンの有無を調べた。非常に複雑なベイシン構造が存在することは確認でき、初期値依存性が極めて高い状態の出現が一般的あることがわかったが、フラクタル性までは特定できなかった。しかし、このような系は小さい雑音を加えることで遍歴的振る舞いが起こりうることを強く示唆している。
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Research Products
(19 results)