2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340031
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川崎 英文 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 教授 (90161306)
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Keywords | 最適化 / ゲーム理論 / ナッシュ均衡 / 純戦略 / 不動点定理 / 協力ゲーム |
Research Abstract |
ゲーム理論と最適化理論の分野で連続構造と離散構造を対比しながら不動点定理と双対定理の研究を行った.離散不動点定理には、単調写像に対するもの、縮小写像に対するもの、ブラウワーの不動点定理に帰着させるものの3種類があるが、今年度は後者の2つを研究した。 1. ブール代数上の縮小写像に対するロバートの離散不動点定理は選択肢が2つしかないという欠点をもつため、ゲーム理論に適用するには十分でなかった。そこで、リチャード・シー・ドンクの離散不動点定理を用いて整数区間上の縮小写像に離散不動点定理を拡張した。さらに、n人非協力ゲームにおいて、プレイヤーの番号を適当につけかえてどのプレイヤーについても、その最適応答が自分より若い番号のプレイヤーの戦略に依存しないならば、純戦略ナッシュ均衡が存在することを証明した. 2. ブラウワーの不動点定理に基づく従来の離散不動点定理は、写像の定義域に整凸性と有限性を仮定していたが、定義域の三角形分割が本質的であり、凸性と有限性の仮定は取り除くことが可能であることを示した。 3. 金属の結晶化や生物の縄張り等の拡散現象を定式化した3相分割問題に対して,研究代表は三角形による分離というアイディアを導入し最適解が退化しない場合に双対定理を与えたが、今年度は最適解が退化する場合への拡張をおこなった. 4. 第14回情報・統計シンポジウムをオーガナイズした。シンポジウムでは、最適化、情報、統計の研究者による11件の発表があった。
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