2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340033
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹田 雅好 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (30179650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 哲弥 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (10180902)
三上 敏夫 北海道大学, 大学院理学研究科, 助教授 (70229657)
桑江 一洋 熊本大学, 教育学部, 助教授 (80243814)
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Keywords | ディリクレ形式 / 対称マルコフ過程 / スペクトル半径 / 大偏差原理 / 加法的汎関数 |
Research Abstract |
大偏差原理の証明方法の一つにゲルトナー-エリスの定理を使う方法がある.本年度加藤クラスの測度に対応する加法的汎関数の大偏差原理にゲルトナー-エリスの定理を応用することを考えた.土田兼治との共同研究で,対称安定過程のスペクトル関数が微分可能であることの必要十分条件を既に得ていたが,対数モーメント母関数とスペクトル関数の同定ができていなかった.しかし,ドゥーブのh-変換過程のエルゴード性を用いて同定の証明が可能であることに気がついた.その結果を用いて,対称安定過程の局所時間に対する大偏差原理とそのレート関数の計算を行なった.一方,対数モーメント母関数の存在は,シュレディンガー半群のスペクトル半径のL^P-独立性から導けることに気づいた.そして,あるクラスのポテンシャルにおいては,シュレディンガー半群のスペクトル半径のL^P-独立性とL^2-スペクトル半径が非正であることが同値であることがわかった.従って,マルコフ半群のスペクトル半径がpに依っている場合でも、負のポテンシャルを加えることでL^P-独立性が回復する場合があることを示した.従来,L^P-独立性の証明には,シュレディンガー作用素の基本解の評価が用いられていたが,ドンスカー-バラダァーンの大偏差原理に現れるいわゆる1-functionの無限遠点の周りの性質から導くという新しい方法を用いる.非局所な作用素を生成作用素を主要部に持つに持つ対称マルコフ過程に対して,さらに非局所的ファィンマン-カッツ変換に対してこの方法を拡張した. 本年度は学位論文を指導した2名を中心に、院生諸君の研究会参加や専門家との議論のための旅費支援をした。博士課程の院生は、対称レビ過程の加法的汎関数に対する大偏差原理や分枝対称マルコフ過程の長時間漸近挙動、ランダム媒質内のレビポリマーなどに関する論文を仕上げ、確率論研究に成果をあげた.
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Research Products
(7 results)