2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340033
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹田 雅好 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (30179650)
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Keywords | ディリクレ形式 / 対称マルコフ過程 / 加法汎関数 / 大偏差原理 / ファインマン-カッツ汎関数 |
Research Abstract |
Feynman-Kac汎関数の重みを持つ対称マルコフ過程に対して,滞在時間に関するDonsker-Varadhan型大偏差原理を以前証明した.それはVaradhanが定式化した大偏差原理とは異なるものであったが,正規化することによりVaradhanの意味での大偏差原理とみなせることが分かった.実際,Donsker-Varadhanによって導入されたレート関数であるI-functionとディリクレ形式との対応関係をシュレディンガー形式との対応関係に拡張することでground stateの存在を示し,従来の不変測度からの大偏差として捉えるのではなく,ground stateからの大偏差として捉えることでそのことが可能になった.さらに,Feynman-Kac汎関数の重みを持つ対称安定過程を正規化して得られる測度が,長時間極限でどの様な測度に収束するか考えた.一次元安定過程で,正のポテンシャルの場合には,K.Yano,Y.Yano,M.Yorらにより詳しく調べられている.本研究では,多次元で負のポテンシャルを持つ場合に彼らの結果を拡張した. LyonsとZhengは対称マルコフ過程の時間可逆性に注目して,エネルギー零の加法汎関数を時間前向きのマルチンゲールと時間後ろ向きのマルチンゲールを使って表現した.G.Trutnau(ソウル国立大)は,Lyons-Zhengの分解公式を非対称な場合に拡張した.拡張されたLyons-Zheng分解公式を用いて,非対称で特異な拡散過程の保存性条件についてTrutnauと考えている.具体例では新たな条件を見つけた.
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Research Products
(4 results)