2006 Fiscal Year Annual Research Report
スペクトル理論・幾何学がもたらす逆問題の数値計算の発展
Project/Area Number |
18340034
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
磯崎 洋 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (90111913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 建昭 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (80087436)
平良 和昭 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (90016163)
若林 誠一郎 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (10015894)
筧 知之 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (70231248)
中村 玄 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (50118535)
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Keywords | 逆問題 / ディリクレ・ノイマン写像 / EIT / シュレーディンガー方程式 / 双曲幾何学 |
Research Abstract |
電気伝導体内部の電気伝導度を表面上の電位、電流から推定する逆問題の理論的、数値解析的研究を行った。特に、物体内に異物が含まれている場合にその位置を表面の一部分からの計測データによって推定する問題は医学、工学において重要な応用をもっており、それに対する実用可能な言をして研を行った。この問題にしては双曲何にとついたシュレーディンガー方程式を用いる方法が理論上有力であり、対応する数値計算法の研究を行った。2次元の場合にはディリクレ・ノイマン写像を用いた数値計算において既に良い結果を得ていたが、これをノイマン・ディリクレ写像を用いるより実用的な定式化に改め、数値計算を開始した。3次元における数値計算の準備をおこない、予備的計算を開始した.また筑波大学で逆問題の数値計算に関するワークショップを行い、9人の外国人研究者と20数人の日本人研究者とともに逆問題の数算にする研究発表、討論を行った。 理論面ではEITにおける計算アルゴリズムにおいて唯一実用化されているBarber-Brownアルゴリズムの数学的意味づけに成功し、論文として出版した。また、これらの問題の基礎にある双曲空間上のシュレーディンガー作用素の指数的に増大するグリーン関数の構成とその基本的性質を解明する論文を発表した。池畠は探針法をさらに発展させ、亀裂の問題や波の散乱の逆問題等に応用した。田沼は電導方程式に対する境界値逆問題において導電係数の境界上での法線微分に関する数値計算研究を行った。 逆問題の研究においてはRadon変換の反転公式が重要な役割を果たしている。筧はアフィングラスマン多様体上のRadon変換について研究し、像の特徴づけ、サポート定理、等の結果を得た。
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