2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340038
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷口 説男 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 教授 (70155208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深井 康成 九州大学, 数理学研究院, 助教 (00311837)
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Keywords | 確率解析 / 確率振動積分 / KdV階層 / KdV方程式 / 広田微分 |
Research Abstract |
1.抽象ウィーナー空間(X,H,m)上の2次ウィーナー汎関数Fは,測度空間E上の関数f:E→Hのマリアヴァン共役δ(f(e))のE上の2乗ノルムの平方として与えられるとする.このようなFを相関数に持つ確率振動積分について、その具体的な表示を無限直積表現を用いて与えた.とくにブラウニアンシートに付随する抽象ウィーナー空間の場合に,その表現をさらにヤコビテータ関数を用いて表現した.これらの表現をさらに条件付き確率振動積分に応用し,その具体表現を与えた.また,KdV方程式の解を与える無反射ポテンシャルに付随するブラウニアンシートに関して確率積分と得られる2次ウィーナー汎関数に対し,無限直積表現を決定する,付随するヒルベルト・シュミット作用素の固有値と固有ベクトルを決定した,これまで2次ウィーナー汎関数の研究は,主に経路空間上で行われていたが,ブラウニアンシートという確率場を扱うことにより新しい2次ウィーナー汎関数解析の具体例を構築した意義は高い.また,無反射ポテンシャルに付随する2次ウィーナー汎関数を具体例として取り込めたことも重要である.無限直積は無限次元行列式に由来しており,無限次元グラスマニアンを通じてのKdV階層と確率解析の関連を示唆する結果である.これらの結果は論文にまとめCommun.Stoch.Anal.に投稿し,掲載が予定されている.2.KdV階層を定めるτ関数に対応する確率振動積分はそのオーダーのずれのために直接的には広田微分に関する簡単な関係式が成立しない.このオーダーの問題の解決を独立な確率振動積分の4つのコピーの直積を利用してはかるべく研究を進めている.この手法により伊藤解析と広田微分の間の関連の解明をはかっている.
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Research Products
(6 results)