Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 達雄 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (20294879)
高山 正宏 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (90338252)
野寺 隆 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50156212)
前島 信 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051846)
下村 俊 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00154328)
|
Research Abstract |
連続体現象における非線形諸問題中,平成19年度に得られた研究成果は以下の通りである. 非圧縮性粘性流体の2次元定常自由境界問題の中,自由境界と容器壁がcontact lineを持つケースで,特に容器壁面上では完全に滑りが生じている時,重み付きソボレフ空間において一意な解を構成した.この問題は古くからの興味ある,困難な問題として有名な問題である.2次元定常問題であるが,区分的滑らかな曲線で囲まれた領域における定常Navier-Stokes方程式について,その一意可解性を,weak solutionではなく,strong solutionの枠内で証明したことは,現象を正確に理解する上からも重要な結果である. 圧縮性粘性活性流体の自由境界問題の解析は流体星の運動の解析にとり重要な問題である.その3次元球対称モデル問題が滑らかな時間大域解を唯一つ持つことを証明した.完全な流体星モデルではなく,中心に核がある(地球型)モデルであるが,外力として自己重力と引力の作用を考慮した最初の結果である.Hoelder空間での時間大域解を構成出来たことは特筆に価する結果である. 領域に亀裂を持つ問題の解析は数学上も,応用上も重要な問題である.その中で,亀裂面が接触面をもつようなモデル,つまり領域がoverlappingしているケースに対して,弱解の存在を示した. この他にも,非Newton流体運動の解析の一環として,非一様非圧縮性Navier-Stokes方程式で,粘性係数が密度,変形テンソルに依存する場合の数学解析,Tokamak中のドリフト乱流の解析等を行って,結果を得ている.いずれも重要な結果である.
|