2006 Fiscal Year Annual Research Report
遠方銀河のディープサーベイ用近赤外分光器に搭載するMEMSシャッタアレイ
Project/Area Number |
18340053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
年吉 洋 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (50282603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本原 顕太郎 東京大学, 理学(系)研究科, 助手 (90343102)
小林 尚人 東京大学, 理学(系)研究科, 助教授 (50280566)
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Keywords | マイクロマシン / 電気機器工学 / 天文 / 宇宙物理 / 理論天文学 |
Research Abstract |
本研究では、遠方銀河のディープサーベイを短時間に効率よく行うための多天体分光器用マルチスリットをMEMS技術を用いて製作し、シャッタアレイの開閉状態をプログラム可能にする技術を研究開発している。平成18年度には、半導体シリコンマイクロマシニング技術を用いて、貼り合わせシリコン基板(SOI基板)の両面をマイクロ加工し、幅100μm、長さ1000μm、厚み2μmの静電駆動シャッタを製作した。シャッタ数8000のアレイ化マルチスリットを構成する予備実験として、シャッタ数1×7、4×8のサブユニット複数種類を設計、製作し、その静電駆動特性を測定した。その結果、シャッタ閉から開状態への駆動電圧120〜200V、開状態保持のための電圧20〜35Vが必要であることがわかった。また、研究費で購入したクライオ(冷却試験器)を用いて低温下(100K)におけるシャッタの反り形状を測定した。その結果、シリコン製マイクロシャッタの表裏両面にアルミ遮蔽膜(80nm)を薄膜堆積することにより、バイメタル的な温度特性を抑制できることがわかった。この結果により、マイクロシャッタアレイを低温真空状態の分光器中でも使用可能である見通しが得られた。さらに、シャッタとして遮光性能を改善するための手法として、マイクロシャッタ基板の上に、ひさしとなる別のスリットを基板積層する製作技術を検討した。多数のシャッタの開閉状態を独立制御する手法として、シャッタ自信とシャッタ基板、および、ひさし基板上の3種類の静電駆動電極を用いて、印加する電圧の組み合わせを変える制御方式を考案し、その効果を実験的に検証した。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Electrostatically Addressable Gatefold Micro-shutter Arrays for Astronomical Infrared Spectrograph2006
Author(s)
T.Takahashi, M.Mita, K.Motohara, N.Kobayashi, N.Kashikawa, H.Fujita, H.Toshiyoshi
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Journal Title
Proc.Asia Pacific Conference on Transducers and Micro-Nano Technology (APCOT 2006),June 25-28,2006,Marina-Mandarin Hotel,Singapore.
Pages: OMN-A0395
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