2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340060
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
野尻 美保子 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (30222201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 安弘 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20212334)
萩原 薫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50189461)
小平 治郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40127080)
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Keywords | 素粒子論 / 素粒子実験 / 宇宙論 |
Research Abstract |
1)超対称模型とは異なるダイナミクスで階層性問題を解決する模型として、Little Higgs模型がある。この模型のなかでもT parityという対称性をもつものは、最も軽いゲージパートナーが安定で暗黒物質となる。またこの粒子はトップパートナー等、強い相互作用をする粒子も含むため、LHCにおいては、トップパートナーが対生成され、さらにこれらが暗黒物質とトップクオークに崩壊するといったシグナルが期待される。この模型では、トップパートナーの質量が1TeV程度と軽いと考えられるため、トップパートナーの探索は有望である。そこでわれわれは、この模型でゲージパートナー暗黒物質となるパラメーターをしらべ、そのようなパラメーターでダークマターのシグナルを発見することが可能であるか検討した。この結果トップパートナーが1TeV近い質量であっても発見が可能であることを明らかにした。2)一部の超対称模型では、アノマリーメディエーションからの超対称性の破れと、モジュライからの寄与が両方とも重要になる模型がある。このような模型では、超対称粒子の質量スペクトラムは必ずしも階層的ではなく、縮退したものも可能である。超対称粒子発見の可能性をこのような縮退した場合についてもとめ、もつとも軽い超対称粒子の質量が、親となる強い相互作用をする粒子の50%より重くなってくると発見がむずかしくなることを示した。3)超対称模型の生成のなかでも、スカラークオークの対生成過程はT channelにグルイーノの交換がおこることが必要であり、またこの時グルイーノのマヨラナ質量に起因するカイラリティフリップが必要である。スカラークオーク対生成プロセスの測定可能性について検討し、論文にまとめた。4)レプトンフレーバーの破れ、ミューオン異常磁気能率についての研究を行った。
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Research Products
(5 results)