2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340062
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 泉 Osaka University, 大学院・理学研究科, 助教 (20294142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 忠史 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90134808)
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Keywords | 二重ベータ崩壊 / 暗黒物質 / シンチレータ / フッ化カルシウム |
Research Abstract |
超稀現象(二重ベータ崩壊・暗黒物質)探索実験用にCaF2結晶を用いたCANDLES計画を進めている。本研究課題ではこのBG低減研究としてシンチレータの内部放射性不純物低減と、シンチレーション特性の制御によるBGの低減を進めることを目的としている。 1.結晶内放射性不純物の低減。 結晶原料製造業者との共同研究を進め、カルシウム塩中の不純物濃度の低減を図った。昨年度までに純化した原料を用いて、結晶製造業者の協力のもと、結晶を製造し、原料と結晶との不純物濃度の相関関係をチェックした。今年度は特に昨年度までのテストから有望であると考えられた原料の処理(溶融)に着目して不純物濃度の低減を進め、特に二重ベータ崩壊実験にて最大のBG源となるTh系列の不純物に関して安定した低減効果が得られることを確認した。また将来の大量生産を念頭に低コストな結晶成長手法の開発も行った 2.CaF2結晶の特性測定、特に温度依存性。 昨年度までのテスト結果を受けて、今年度は環境条件、特に温度による発光量や時定数の違いに着目して研究を進めた。条件としては比較的容易に実現可能な液体窒素温度を念頭に置き、低温での測定が可能な装置の製作を行った。これらを用いて発光量・パルス波形などを測定した。更に、この情報を粒子弁別に利用することにより、特に暗黒物質探索実験においてBGが少ない測定を行うことが可能であることを示した。 また、CaF2以外の、二重ベータ崩壊核を含む結晶シンチレータ製造の可能性についても探り、発光量などの測定を行った。
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Research Products
(20 results)