2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340064
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
與曽井 優 Osaka University, 核物理研究センター, 准教授 (80183995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 貴志 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (80212091)
堀田 智明 大阪大学, 核物理研究センター, 助教 (30332745)
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Keywords | ペンタクォーク / ハイパー核 / TPC / ガス液化クライオスタット / レーザー電子光 / SPring-8 / LEPS / 光核反応実験 |
Research Abstract |
本研究では、SPring-8のレーザー電子光施設(LEPS)で発見されたクォーク5つからなるペンタクォーク粒子Θ^+が原子核に束縛された状態の探索を行うことを目的とする。束縛状態の有無は、Θ^+-核子間の相互作用についての知見を与える。前年度までの研究で寒剤不要のガス液化型標的、及びタイムプロジェクションチェンバーを中心とする検出器系の準備は整い、本年度はLEPSのマルチGeV偏極光子ビームを用いて、液体水素標的、液体重水素標的、及び液体ヘリウム標的に対して光核反応の測定を順に行った。 1,先ず自由核子からのK^*(892)中間子光生成によるΘ^+の探索を目的とした液体水素標的を用いた実験を前年度から継続して行った。この実験を通じて新たな測定システムに対する解析プログラムの開発・整備を行った。 2.次に前方測定においてΘ^+が見つかっている重陽子標的に対して実験を行い、特に崩壊粒子の不変質量からΘ^+が同定できるかを調べた。 3.基礎データとなる液体水素・液体重水素標的による実験の後、標的を液体ヘリウムに変更し、本研究の主題であるペンタクォーク・ハイパー核の探索を開始した。尚、標的セル周りの真空容器として炭素ファイバー樹脂(CFRP)を用いているので、炭素標的についても同時に測定できている。まだ統計が少ないため実験は次年度前半まで継続して行う予定である。並行して解析を進めている。
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