2007 Fiscal Year Annual Research Report
円形加速器を用いたミューオンイオン化冷却の基礎研究
Project/Area Number |
18340065
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 朗 Osaka University, 大学院・理学研究科, 助教 (40362610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石元 茂 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 講師 (50141974)
鈴木 祥二 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師 (00391722)
久野 良孝 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30170020)
森 義治 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (30124176)
吉村 浩司 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50272464)
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Keywords | ミューオン / 加速器技術 / ビーム冷却 / ニュートリノファクトリ / ミューオンコライダ |
Research Abstract |
本研究は、ニュートリノ・ファクトリ実現において重要なビーム加工技術の一つである「ミューオン・ビームのイオン化冷却技術」の基礎研究であり、特に円形加速器を使用したビーム冷却リングの開発に的を絞り、ビーム冷却リングの設計と超流動液体ヘリウム減速材の開発を進めるものである。ビーム冷却リングの設計では、冷却効率が高くかつ入射取り出し可能なビーム冷却リングのラティスを検討し、その設計を行う。超流動ヘリウム減速材の開発では、イオン化損失による発熱の除去や薄膜窓材の研究を行う。さらに、製作した超流動ヘリウム減速材試作器について総合性能試験を行い、超薄膜くさび形減速材の技術確立を目指している。 平成19年度は、コンピューターにより円形ビーム冷却リングの軌道解析を行い、ビーム冷却に重要なくさび型減速材の形状検討を行った。その結果、超流動ヘリウム減速材試作器1号機の開き角として80度を採用した容器を設計し、製作した。 超流動ヘリウム減速システムについては、昨年度に引き続き、クライオスタットの製作とシステム全体設計と製作を行った。我々が開発しているシステムは原子核実験KEK-PS-E549で使用した超流動ヘリウム標的システムの設計をベースに改良を加えたものである。ミューオンビームの通過による超流動ヘリウム減速材への入熱除去が重要となるが、本システムは150L/時のヘリウム液化機を利用することで100Wの冷却能力を有する設計である。本年度は本システムのうち1K容器と冷却試験用アブソーバー容器を設計・製造し、超流動ヘリウム減速システムへ組み込んだ。上述のくさび形減速材容器を用いた内部ヒーター入熱の除去試験準備を進めている。
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