2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340070
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
佐藤 修一 国立天文台, 重力波プロジェクト推進室, 研究員 (30425409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 竜太郎 国立天文台, 光赤外研究部, 主任研究員 (60270451)
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Keywords | 重力波 / レーザー干渉計 |
Research Abstract |
本年度は、既に提案されている「変位雑音・タイミング雑音フリー重力波検出」のアイデアを基にして、通常のレーザー干渉技術を用いた「変位雑音・周波数雑音フリー重力波検出器」(DFI)の光学設計を開発した。光パルスを用いた思考実験から、レーザーを用いた最もシンプルな干渉実験への焼き直しをしたことになる。 全体構成は、正八面体の頂点に鏡およびビームスプリッター、稜線にレーザービームを配置した三次元型の干渉計となる。各々の光学素子は4組のマッハツェンダー干渉計に冗長的に共有されており、したがってこれらの出力信号を組み合わせる事で光学素子の変位情報をキャンセルできるというしくみである。詳細な計算・解析を進めた結果、この光学設計のDFIによって、 ●変位雑音が全ての周波数帯域に渡ってキャンセルする ●重力波信号は(ある特徴的周波数を中心に)残る ことが確かめられた。これによって、変位雑音フリーのレーザー干渉計重力波検出器が実現される。さらに、「変位雑音・タイミング雑音フリー重力波検出」で提案されているような複合鏡などの特殊な光学素子ではなく、通常のレーザー干渉実験に用いる、反射鏡、ビームスプリッターなどの光学素子でDFIを構成できるという点は、現実的な観点から非常に重要な進展であった。 この光学設計を基に、テーブルトップ実験を開始した。数10cmスケールの干渉計を2次元平面に展開して原理検証実験を行っている。目的は上記の2点を実験的に検証することである。
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