2007 Fiscal Year Annual Research Report
原子核実験用窓なし固体水素標的の実用化のための開発研究
Project/Area Number |
18340074
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
石元 茂 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 講師 (50141974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 祥仁 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師 (00391722)
竹田 浩之 理化学研究所, 中央研究所, 基礎特別研究員 (30392020)
大西 哲哉 理化学研究所, 中央研究所, 基礎特別研究員 (50360516)
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Keywords | 実験核物理 / 低温物性 / 固体水素 / 標的 / 昇華 |
Research Abstract |
J-PARCハドロン実験およびRIビーム実験のための厚い固体水素(Long-SHT,D=50,L=30-100)の設計と製作を行った。冷却テストを繰り返しD=50,L=100までの固体水素ターゲットが空洞や不均一な部分がほとんどない高品質なものが安定して製作できるようになった。このサイズはJ-PARCでの原子核実験用としても使用できるものである。 この固体水素ターゲットを用いた理研RIビーム実験(筑波大-小沢)のプロポーザルを行い採択された。本研究では理研BigRIPSなどでの高エネルギー反応断面積実験用に、固体水素ターゲット(SHT)の開発を行なった。固体水素ターゲットは反応率が高い、多重散乱が低い、またその形状の安定性などのメリットから原子核実験において近年使われるようになってきた。2cm以上の厚さの固体水素ターゲットはまだ実用化されていないので、2〜10cmのターゲット開発を試みた。 小型GM冷却機(1.5W@4.2K)を用いて4〜5K程度までセルを冷却した後、室温の水素を供給した。その際、水素供給圧力をコントロール(100Torr)し、3重点(13.8K)近傍で液体にしてから凝結させることにより、固体水素の凝固したときに空洞ができやすいという問題点を克服した。また、セルの水素ガス供給口において水素固体による閉塞が起こりにくい構造にした。その結果、直径50mm厚さ100mmの空洞がほとんどない固体水素の作成に初めて成功した。固化時間は140分であった。
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Research Products
(3 results)