2008 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒時間分解X線回折による相転移ダイナミクス
Project/Area Number |
18340083
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 一隆 Tokyo Institute of Technology, 応用セラミックス研究所, 准教授 (20302979)
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Keywords | 時間分解X線回折 / フォノン / 相転移 / ダイナミクス / コヒーレント |
Research Abstract |
半導体単結晶CdTe(111)を試料として用い、70フェムト秒のパルス幅のレーザー光を0.6mJ/cm^2の光強度で励起した際に発生する、コヒーレントフォノン状態相を26fsの時間ステップをもって時間分解X線回折測定した。X線回折強度は、レーザー光照射と伴にその強度が減少していくが、回折強度にはTHz領域の振動数の強度変調が観測された。観測された振動数は5.3THzであり、CdTe結晶のΓ点におけるLOフォノン振動数と等しいことが分かり、コヒーレント振動状態が生成していることが分かった。X線回折強度変調の大きさは、回折強度の約10%であり、X線回折の構造因子の時間発展の式を用いて解析すると、格子点まわりにおける原子変位量が3ピコメートルと見積もることが出来た。この原子変位量は格子定数の0.8%の大きさであることが分かった。また、同様のコヒーレントフォノン状態は、フェムト秒時間分解過渡反射率測定でも確認を行ない、X線回折と同じ周波数の振動が励起できることを確認した。また、このコヒーレント状態の寿命は2.4ピコ秒であることを測定から得た。またフェムト秒レーザーパルス列を用いた励起を行なうことによって、振動振幅の大きさを制御出来ることを、CdTe, GaAs, YBCOなどの試料を用い実証した。本研究の結果から、コヒーレントフォノン状態において誘電率変化だけでなく、実際に結晶格子が大規模に位相を揃えて運動しており、その変位振幅を100フェムト秒に時間精度とピコメートルの空間精度で求めることが出来るようになった。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] 炭素材料の衝撃変成2009
Author(s)
中村一隆, 横尾学, 近藤建一, 保前友高, 庭瀬敬右
Organizer
第66回応用物理学関係連合講演会、シンポジウム
Place of Presentation
筑波大学(つくば)
Year and Date
2009-03-31
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[Presentation] Mode selective excitation of coherent phonons in bismuth by femtosecond pulse pair2008
Author(s)
K. G. Nakamura, H. Takahashi, K. Ishioka, M. Kitajima, J. C. Delagnes, H. Katsuki, K. Hosaka, H. Chiba, K. Ohmori, K. Watanabe, Y. Matsumoto
Organizer
XVI International Conference on Ultrafast Phenomena
Place of Presentation
Streasa (イタリア)
Year and Date
2008-06-09
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