2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340084
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
島田 宏 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (60216067)
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Keywords | 単一電子トランジスタ / 磁化反転 / 磁気クーロン振動 / 磁壁 / エレクトロマイグレーション |
Research Abstract |
18年度は、1.クロム製単一電子トランジスタ(SET)の作製、2.磁壁トラップの作製、3.微小電極ギャップを用いたSETの作製、といった次年度以降に必要となる要素技術の導入を計画した。以下それぞれについての実績を述べる: 1.クロム電極に2nm程度のアルミニウムを蒸着し、これを完全酸化させて絶縁膜としてトンネル接合を作ることで、比較的容易に良好な動作特性を持つSETが作製できることを見出した。これにより、Cr/Co/Crの電極構成をもつSETを作製し、Coの磁気特性を測定できた。特に、Co電極の磁化反転に伴って、磁場変化に伴う仕事開数の変化の極性が変わることが観測された。これは、従来の磁気クーロン振動モデルの検証になる結果である。 さらに、これと平行して、電子線レジスト/ゲルマニウム薄膜/電子線レジストの3層構造を利用し、容量結合型および誘導結合型の簡易プラズマ処理装置を用いて、プラズマプロセスに耐える微細パターンを持つ蒸着マスクを作製し、強磁性SETの作製に成功している。この手法を用いて作製したNi/Co/Ni-SETで単一電子現象と磁気との複合効果の観測に成功している。 2.くびれをもつCo細線を用いて磁壁をトラップする技術を導入した。磁気抵抗特性に特徴的な構造が現れ、磁壁トラップの実現を確認した。 3.液体ヘリウム中でのエレクトロマイグレーションによって、100nm程度の幅を持つ金電極に10nm程度の微小ギャップを作製することに成功した。伝導度を測定子ながらこれに微粒子の蒸着を行う実験機器を作製した。また、19年度に予定していたSETを静電位計として用いるための駆動回路の作製を行った。
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