2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340084
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
島田 宏 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (60216067)
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Keywords | 単一電子トランジスタ / 磁化反転 / 磁気クーロン振動 / 磁壁 / エレクトロマイグレーション / トンネル磁気抵抗 |
Research Abstract |
20年度は、1.基板ゲートをもつナノギャップを用いた極微小単一電子トランジスタ(SET)の作製と特性評価、2.磁壁に伴う電気2重層検出用の素子の評価、3.強磁性単一電子箱のシミュレーションとの試作、を行った。以下それぞれについての実績を述べる: 1. 昨年度、エレクトロマイグレーションによるナノギャップ作製技術を用いて、金細線に作った10nm程度のナノギャップの上にCo微粒子を蒸着し、室温でも単一電子の帯電効果に起因する非線形伝導特性を持つ極微小SETの作製に成功した。今年度は、低温でも導電性をもつ基板を用いて、同様のSETを作製した。低温で特性を評価し、きれいな「クーロン階段」を観測するに至った。しかし素子作製プロセス上の問題でゲート・ソースドレイン間が短絡してしまう困難にぶつかり、プロセス全体を見直し必要が発生した。 2. 昨年度作製法を確立した、くびれをもち磁壁をトラップできるCo細線のくびれの両側にCr製のSETをそれぞれ容量結合して磁壁両側の静電位変化を観測できる素子について素子パラメータを評価し、磁壁に伴う静電位変化の測定準備をした。しかし、検出用のCr製の単一電子トランジスタの特性が明らかに磁場応答することが観測され、電極材料の選定をし直す必要が発生した。 3. 外部回路とトンネル接合1個で結合したCo細線を単一電子箱とし、この動作をCr製のSETで検出する素子について、静電容量シミュレータを用いて、動作特性を評価し、より現実的な素子を試作した。
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