2007 Fiscal Year Annual Research Report
キャリアドープされたモット絶縁体に対するスペクトロスコピーの理論
Project/Area Number |
18340097
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
遠山 貴巳 Kyoto University, 基礎物理学研究所, 教授 (70237056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 健二 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (80291011)
松枝 宏明 仙台電波工業高等専門学校, 助教 (20396518)
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Keywords | 強相関電子系 / スペクトロスコピー / 厳密対角化法 / 密度行列繰り込み群法 |
Research Abstract |
キャリアドープされたモット絶縁体の物性測定に角度分解光電子分光やトンネル分光、また共鳴非弾性X線散乱といったスペクトロスコピーが威力を発揮している。本研究の目的は、本グループが開発・発展させている多体電子系に対する数値計算法を用いて、ドープされたモット絶縁体に対するスペクトロスコピーの理論を構築し、電子のもつ電荷及びスピン自由度がスペクトロスコピーに及ぼす効果や電子状態に果たす役割を解明することにある。平成19年度は以下の3点を中心として研究を実施した。1、銅酸化物絶縁体の角度分解光電子分光スペクトルや光学伝導度の理論: 電子ドープ型高温超伝導体の角度分解光電子分光スペクトル及び光学伝導度の温度変化について調べ、電子状態と磁気的相関の関係について解明した。また、角度分解光電子分光スペクトルに見られる高エネルギー領域のキンク構造についてその起源を厳密対角化法による数値計算で明らかにした。 2、梯子型銅酸化物に対する共鳴非弾性X線散乱の理論: 梯子構造を持つ銅酸化物に対する共鳴非弾性X線散乱のスペクトルの計算を厳密対角化法を用いて行い、実験結果との対応を明らかにした。特に、スピンギャップがスペクトル形状に与える効果が大きいことが分かった。この研究は日本原子力研究開発機構の実験グループとの共同研究として成果が発表された。 3、一次元モット絶縁体の光吸収スペクトルに対する電子格子相互作用の効果: 強相関電子系における電子格子相互作用の効果を明らかにするため、当グループで開発した動的に拡張した密度行列繰り込み群法を用いて、一次元モット絶縁体の光吸収スペクトルを計算した。電子格子相互作用に起因する特長的な構造を得た。
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Research Products
(20 results)