2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物強相関電子系物質における異方的超伝導相と磁気相の関係
Project/Area Number |
18340102
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 憲二 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (90243196)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 裕也 物質・材料研究機構, ナノ物質ラボ, 研究員 (60421400)
藤田 全基 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20303894)
幸田 章宏 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (10415044)
池田 浩章 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (90311737)
|
Keywords | 強相関電子系 / 超伝導 / NMR、μSR / 銅酸化物超伝導 / コバルト酸化物 |
Research Abstract |
本年度は酸化物銅超伝導体のLa_<2-x>Sr_xCuO_4(LSCO)と水和物コバルト酸化物超伝導体Na_x(H_3O)_zCoO_2 yH_2Oにおいて以下の研究を行った。 I.単結晶LSCO : x=0.053、0.10、0.15の試料での低磁場と高磁場の横磁場ミュオン回転の実験 横磁場ミュオン実験はカナダの中間子施設の「TRIUMF」にて、最近購入された高均一の超伝導磁石を用いて行った。横磁場ミュオン回転実験を広いSr濃度について行い、低磁場実験から超流動密度、静的磁気相と超伝導相の共存、磁気領域と超伝導領域の体積分率等を調べた。また高磁場実験から、低温までのスピン磁化率の測定、共鳴線の線幅、磁場誘起磁性超伝導の有無を調べた。それらの結果から、超伝導転移温度と静的磁気転移温度の相図を作り、今まで報告されている結果と比較した。また磁場誘起磁性は低温まで静的磁性を示さない0.15の試料では見られないことも明らかにした。 II.コバルト超伝導体Na_x(H_3O)_zCoO_2 yH_2Oの単結晶の育成と高磁場と加圧下の測定 超伝導状態のスピン帯磁率の精密測定には良質な単結晶は必須であり、良質な単結晶を育成を試みた。水の入っていないものについては、良質な単結晶が育成できるようになった。来年度、超伝導を示す水和物の単結晶を試みる。最高T_cを持つ超伝導転移温度に磁場を印加し、磁場で超伝導を抑制した温度域の緩和率1/T_1を測定した。その結果1/T_ITは低温に向かって発散的に増大する振る舞いが見られ、超伝導が磁気量子臨界点近傍で起こっていることを明らかにした。また磁気相近傍に位置する超伝導試料についても同様な実験を行い、超伝導を抑制した高磁場領域では磁気異常が見られることも明らかにした。加圧下のコバルト核Coの核四重極共鳴実験を行い、スピンゆらぎと超伝導が関係していることを示す更なる結果が得られた。
|
Research Products
(5 results)