2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物強相関電子系物質における異方的超伝導相と磁気相の関係
Project/Area Number |
18340102
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 憲二 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (90243196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 裕也 物質・材料研究機構, ナノ物質ラボ, 研究員 (60421400)
藤田 全基 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (20303894)
幸田 章宏 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (10415044)
池田 浩章 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (90311737)
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Keywords | 水和物コバルト超伝導 / 核磁気共鳴(NMR) / 核四重極共鳴 / 電場勾配 / ナイトシフト |
Research Abstract |
本年度は、主としてコバルト超伝導体Na_x(H_3O)_zCoO_2yH_2Oについて以下の研究を行った。 I)高磁場で超伝導を抑制した時に見られる磁気状態 我々は、T_cの異なる様々な試料においてCo核の核四重極共鳴を行い、Co核の核四重極共鳴周波数とT_cに相関が見られることから、この系における相図を作成した。その相図において最高のT_cを持つ試料と、磁気相近傍に位置する超伝導試料について、高磁場を印加し超伝導を抑制した時に見られる磁気状態を、核スピン格子緩和率1/T_1を測定することから調べた。その結果、最高のT_cを持つ試料では1/T_1Tは低温に向かって発散的に増大する振る舞いが見られ、最高のT_cをもつ超伝導が磁気量子臨界点近傍で起こっていることを明らかにした。これに対し磁気相近傍に位置する試料では、超伝導を抑制した高磁場領域で内部磁場が現れ磁気異常が見られることも明らかにした。これらの結果は、この超伝導と磁気相が密接に関係していることを示す結果である II)単結晶の育成とNMR/NQR実験 超伝導状態のスピン帯磁率の精密測定には良質な単結晶は必須であった。本年度、良質な単結晶の育成に成功した。最高のT_cを持つ単結晶試料で、c軸方向のナイトシフトの測定を行った。その結果良質な単結晶試料でも、約4度の電場勾配の分布を持つことがわかった。この試料でc軸方向のナイトシフトを測定した。この試料のナイトシフトの減少は以前の報告よりも1桁ほど小さいことがわかった。単結晶についてもCo-NQRの実験を行い、多結晶のデータと一致することがわかった。
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Research Products
(7 results)