2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340113
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
内山 智香子 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (30221807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 賢三 山梨大学, クリーンエネルギー研究センター, 教授 (80107218)
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Keywords | スピンエレクトロニクス / マイクロ・ナノデバイス / 量子コンピュータ |
Research Abstract |
スピントロニクスデバイスや量子コンピュータの実現を目指した実験的研究が近年急速に進んでいる。前者は電子スピンに依存する電気伝導現象を用いたナノデバイスであり、すでに大容量記憶媒体が作成され、現在はスピントランジスタなどの素子開発が行われている。また後者では量子ドットなどの半導体のナノ構造中に、情報をエンコードした電子スピンを注入し、その量子状態を操作することによる情報処理の可能性に注目が集まっている。これらのスキームで正確な情報伝達・処理を実現するために、半導体構造中で電子スピンの情報をいかに保持するか、ということが中心的な課題となっている。本研究では、半導体構造中での電子スピンの緩和現象の解明を通して、ナノシステムの安定性を論じるとともに、新たな量子統計力学的手法の開発を目指している。 今年度は、環境世界の影響下にあるスピンの安定性を制御するためのパルス制御法についての研究を行った。その結果、注目しているスピンが環境と相互作用することによって、初期時刻に励起状態にあったスピンのエネルギーが環境から再吸収されるという、非マルコフ効果のある場合には、パルス制御法が有効であることを示すことができた。このほか、注目しているキュービットが初期時刻に他のキュービットと相関のある場合の量子エラー訂正の有効性についての研究を行った。その結果、初期相関の影響は深刻で、量子エラー訂正が有効に機能しない場合があることについて、日本物理学会にて発表を行った。さらに、環境世界と初期に熱平衡状態にあるスピンの複素アドミッタンスについての表式を求め、「量子応答と量子ダイナミックスの新展開」研究会にて発表を行った。
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