2006 Fiscal Year Annual Research Report
共役系高分子の配座とそのダイナミックス:単一分子レベルでの研究
Project/Area Number |
18340123
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
VACHA Martin 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (50361746)
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Keywords | 1分子計測 / 共役系高分子 / 高分子の配座 |
Research Abstract |
本研究の目的は次のように2つの段階に分けられる。 1:共役ポリマー単一分子の配座を特定するための光学顕微鏡法を開発すること。 2:その顕微鏡法を用いて共役ポリマー単一分子の配座及びそのダイナミクスを研究すること。 本年度は第1の段階から初めた。高分子の配座が1分子の吸収楕円体から決定できるという仮定の上、吸収楕円体を測定するための装置、2光路蛍光偏光顕微鏡を作成した。装置は主に遠視野倒立方顕微鏡と高感度CCDカメラに基づいたものである。Arレーザーからの励起光の偏光状態がEO変調器を用いて回転し、無偏光のビームスプリッターとチョッパで2つの光路に分ける。前者は通常の遠視野蛍光顕微鏡と同じように試料を励起する。後者は試料の面に対して光電場の強いz-成分を作るために、浅い角度から当たて試料を励起する。通常の偏光顕微鏡では得られないz-方向の情報が得られるのがこの装置の特徴である。実験では励起光の偏光をゆっくり回転し、2つの励起光路を切り替えながら数百枚のCCD画像を取る。画像から1分子を選び、それぞれの励起光路での蛍光強度をプロットし、理論式でフィッティングする。フィッティングのパラメータとして吸収楕円体の空間的な向き及び楕円体の形が得られる。最初の共役ポリマー試料としてポリフェニレンビニレン誘導体MEH-PPVを低濃度でPMMA薄膜の中で分散し測定した。結果として、MEH-PPVの1分子がPMMAの中で球状に近い楕円体の配座を取ることが分かった。
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