2006 Fiscal Year Annual Research Report
高精度ダイナモシミュレーションによる地磁気逆転メカニズムの解明
Project/Area Number |
18340131
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
本藏 義守 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (00114637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 政貴 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (20242266)
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Keywords | MHDダイナモ / コア・ダイナミクス / 地磁気逆転メカニズム / グリッドコンピューティング |
Research Abstract |
本研究の目的は,高速回転球殻中における3次元電磁流体(MHD)超高精度ダイナモの数値シミュレーションを実施することにより,現実の地球コアのダイナミクスが再現されている状態において,地磁気逆転メカニズムを解明することである.この目的を達成するために,グリッドコンピューティング用計算コードを開発し,数値計算を行い,その結果を解析することにより,地球磁場の極性が逆転するときに,磁場がどのように振る舞うかを調べる.グリッドコンピューティングを行うために開発されたコードによる計算結果と数値ダイナモのベンチマークとを比較しながら,グリッドコンピューティング用のMHDダイナモ計算用コードを開発している.一方,速度場と磁場の特徴的な長さスケールに着目して,これまでの計算結果の解析を実施した.エクマン数が非常に低くなると,それに応じて非常に小さなスケールが卓越した対流が磁場を生成する.しかしながら,磁場のスケールはあまり変化しない.結果として,速度場と磁場との間にスケール分離が生じることがわかった.ダイナモ作用に対する磁気プラントル数の影響はあまり大きくないことからエクマン数の寄与が大きいと判断できる.このスケーリングの結果をもとにして,地球コア内における粘性散逸とオーム散逸を見積もった.この方法によって見積もられたオーム散逸は他の方法による見積もりとある程度一致した.他方,粘性散逸はオーム散逸と同等かそれよりずっと小さくなる.このようなスケーリングによる見積もりは他の惑星コアに対しても適用でき,ダイナモ作用の理解につながると考えられる.
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