2008 Fiscal Year Annual Research Report
高精度ダイナモシミュレーションによる地磁気逆転メカニズムの解明
Project/Area Number |
18340131
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
本藏 義守 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (00114637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 政貴 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (20242266)
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Keywords | MHDダイナモ / コア・ダイナミクス / 地磁気逆転メカニズム / グリッドコンピューティング |
Research Abstract |
本研究の目的は,高速回転球殻中における3次元電磁流体(MHD)超高精度ダイナモの数値シミュレーションを実施することにより,現実の地球コアのダイナミクスが再現されている状態において,地磁気逆転メカニズムを解明することである.この目的を達成するために,グリッドコンピューティング用計算コードを開発し,数値計算を行った.その結果を解析することにより,コア-マントル境界の熱的不均質の影響や地球磁場の極性逆転における磁場の振る舞いを調べた.磁場の極性が逆転するときと,逆転に至らずに元に戻ってしまうエクスカーションのときには,コア内部における磁場生成過程に違いがあることがわかった。内核の北側および南側における活発な対流が赤道面対称性の破れを引き起こすことが磁場の極性逆転のトリガーになることも示唆されているが,そうではないことを再確認した.エクスカーションのときも磁場極性逆転のときも,初期段階では,コア深部の高気圧対流セルによって,低緯度で逆極性の磁場が生成される.エクスカーションの場合,動径方向の流れによって逆極性の磁場がコア浅部に運ばれることにより,コア表面で極性の変化を検出できる.しかし,同様の過程によって元の極性の磁場が運ばれ,結果として逆極性の磁場は無くなる.一方,極性逆転の場合,逆極性の磁場が継続して生成される.そのため,逆極性磁場は連続的にコア浅部へ運ばれる.さらに,コア表面付近の逆極性の磁場は対流セルに伴う流れによって極付近に集められることによって強度が増し,極性逆転が完了する.このように違いがあることを明らかにした.
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