2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340136
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川辺 正樹 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40143549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳本 大吾 東京大学, 海洋研究所, 助手 (40260517)
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Keywords | 海洋物理・陸水学 / 海洋観測 / 深層循環 / 流量変動 |
Research Abstract |
白鳳丸KH-05-4次航海で回収した,シャツキー海膨南西測線での9系の係留系による流速データにノイズの除去や流向の補正を施して解析のためのデータセットを作成し,時系列の作図や流速の平均値などの基本的な統計量の計算や流量の一次的な見積もりを行った。また,CTDO_2による水温,塩分,溶存酸素の較正等の処理を行い,断面図の作成などの基礎的な解析を行った。これらの測定結果と観測や測器の概要を載せた白鳳丸KH-05-4次航海のクルーズレポートを印刷した。 平成19年5月7日〜6月8日に実施する白鳳丸KH-07-1次航海レグ2での観測について,本州東方の40°N線に設置する係留流速計や切離装置などの機器やCTDO_2・採水の準備を行い,それらの機材の多くを白鳳丸に積み込んだ。 代表者川辺と分担者柳本は,北太平洋メラネシア海盆を通過する深層下部と上部の深層西岸境界流の分布と変動を測流データの解析で明らかにし,論文をDeep-Sea Research Part 1に発表した。また,川辺と指導学生は,深層上部の深層流の構造及び反流の存在と起源を降下式音響ドップラー流速計で調べ,論文をLamerに投稿して受理された。さらに,川辺は深層循環の分布や構造に大きく影響する鉛直拡散係数をCTDO_2データから算出する方法を開発し,西部北太平洋の165°E亜熱帯域での拡散係数を見積もる研究を完成させてDeep-Sea Research Part 1に投稿し,改訂稿の審査に入っている。鉛直拡散係数の鉛直変化が場所によって異なり,その違いが乱流の形成に寄与する波動の種類や場の違いによるものと結論した。柳本は,川辺と協力して165°Eの亜熱帯域で測定した流速計データとKH-05-4次航海などのCTDO_2データを解析し,シャツキー海膨の東方(上流側)海域での深層循環流の流路と変動の論文をほぼ完成させた。
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