2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340137
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新野 宏 東京大学, 海洋研究所, 教授 (90272525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊賀 啓太 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (60292059)
柳瀬 亘 東京大学, 気候システム研究センター, 特任助手 (80376540)
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Keywords | 温帯低気圧 / 熱帯低気圧 / 亜熱帯低気圧 / 傾圧不安定 |
Research Abstract |
本研究は、(1)事例研究、(2)理論解析、(3)数値実験の3つの課題を互いに密接に連携をとりながら遂行し、新野が全体の総括を行う計画で研究を遂行している。以下、平成18年度の研究実績の概要を各課題ごとに述べる。 (1)事例研究(担当:新野) 2005年10月に日本海に発現したポーラーロウの事例について、気象庁のルーティン観測データと客観解析データを用いて、低気圧の構造と上層擾乱も含む環境場の特徴を詳しく解析した。また、気象庁領域モデル(RSM)と気象庁非静力学モデル(JMANHM)を用いた数値シミュレーションにより、低気圧の再現を試みると共に、感度実験を行い低気圧の構造や発達機構を調べた。 (2)凝結熱を伴う非地衡流傾圧不安定の理論解析(担当:伊賀) 本研究では、鉛直方向のシアだけでなく南北方向にもジェット状の構造を持つ基本流で凝結加熱を考慮した場合の非地衡風の傾圧不安定の特性を調べるため、まず理想化した帯状流ジェットの線形不安定性の定式化を行い、行列法を用いてこの問題の固有値問題を解くプログラムを開発した。このプログラムを用いて、基本場のジェットの幅や傾圧性の強さ、凝結熱の大きさなどに対する不安定モードの特性の依存性を調べた。 (3)ハイブリッド低気圧の数値実験(担当:柳瀬、新野) 対流圏全層に及ぶ傾圧場や様々な緯度・季節における温度・水蒸気量の異なる環境におけるハイブリッド低気圧の発達・成熟を理想化した数値実験により再現するために非静力学モデルの境界条件等の改修を行い、水平格子間隔5kmの水平解像度を用いて、凝結加熱と傾圧性の度合いに応じて、低気圧の特性がどのように変化するかに関する基礎実験を行った。
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Research Products
(6 results)