2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340137
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新野 宏 The University of Tokyo, 海洋研究所, 教授 (90272525)
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Keywords | 温帯低気圧 / 熱帯低気圧 / 亜熱帯低気圧 / 傾圧不安定 |
Research Abstract |
ハイブリッド低気圧の実態と構造及び力学を明らかにするため、前年度に引き続き事例研究、理論解析、数値実験を平行して行った。 事例研究においては、凝結熱と傾圧性の双方が重要な役割を演ずる顕著な事例(2003年10月13日の低気圧など)について、ドップラーレーダー等も含むルーティン観測データと客観解析データを用いて、低気圧のメソスケール構造の特徴を明らかにした。 理論解析については、引き続き鉛直方向と南北方向にシアを持つ基本流において、鱗加熱を考慮した場合の非地鯉の傾圧不安定の特性を線形安定性理論にもとついて調べた.基本場としては梅雨期のメソαスケ-ル低気圧が卓越する時期の環境の気候場を念頭に置いて解析したが、ジェットの幅や傾圧性凝結加熱の程度が異なる場合に、卓越する擾乱の構造・力学・エネルギー収支などがどのように変化するかも調べ、これらの結果に基づいて、個別の事例研究・とりわけ梅雨時の多様な環境場及びその中に生る擾乱の構造・力学に関する検討を行った。 数値実験については前年度に行った凝結加熱・傾圧性を幅広いパラメー範囲で変化させた雲解像数値実験の結果について詳細なエネルギー収支や熱収支・渦度収支などの解析を行い、低気圧の構造と力学、エネルギ-収支に対する凝結加熱・傾圧性の効果を明らかにした。また、理想化実験の結果に基づいて、事例研究の数値シミュレーションで得られた低気圧の構造や線形不安定論の結果との比較検討を行った。
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Research Products
(9 results)