2006 Fiscal Year Annual Research Report
四次元変分法データ同化を用いた階層的逆解析によるエルニーニョ現象の解読
Project/Area Number |
18340139
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
淡路 敏之 京都大学, 理学研究科, 教授 (40159512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 洋一 京都大学, 理学研究科, 助手 (70335298)
根田 昌典 京都大学, 理学研究科, 助手 (10273434)
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Keywords | データ同化 / エルニーニョ / 予測 / 大気海洋フィードバック |
Research Abstract |
本年度の成果を研究項目毎に纏める。 (1)階層的四次元変分法データ同化システムの改良と熱帯太平洋適用実験プラットフォームの構築全球を対象とした四次元変分法大気海洋結合データ同化システムと密に連携した高分解能熱帯太平洋領域結合モデルの開発・改良に成功するとともに、CLIVAR/GODAE等の関係する国際研究コミュニティの協力を得て、同化実験に必要な入力用データ及び検証用データの整備を行い、それを用いた動作実験により、研究開発した階層的大気海洋結合同化システムが研究目標に耐えうる性能を有することを確認した。 (2)1997/98エルニーニョ顕著年データ同化実験:上記のシステムを史上最大のエルニーニョが発生した1997-1998年に適用することにより、結合同化による高性能の時系列再解析データを初めて作成することに成功した。この結合系時系列データの拡張に向け、同様の再解析実験を次年度も継続し、より多くのエルニーニョ事例解析及び関連した気候変動事例解析を行う予定である。 (3)1997/98エルニーニョ発生過程の解明:作成した結合系顕著年再解析データの詳細解析並びにアジョイント法逆解析により、西風バーストをトリガーとした一連のエルニーニョの動態を明示・解読することができた。この結果を用いて、エルニーニョ発生の不規則性に関する理論モデルを提案した。 (4)以上の研究成果をヨーロッパ中期予報センターで開催されたCLIVAR/GODAE(招待講演)等の国内外の会議で発表するとともに、米国の国際誌に投稿した。
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