2006 Fiscal Year Annual Research Report
MUレーダー・RASS観測による風速・気温・水蒸気微細変動特性の研究
Project/Area Number |
18340140
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
津田 敏隆 Kyoto University, 生存圏研究所, 教授 (30115886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古本 淳一 京都大学, 生存圏研究所, 特任助教 (10402934)
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Keywords | MUレーダー / RASS / ウインドプロファイラ / 大気乱流 / 干渉計 / 台風 / 集中豪雨 |
Research Abstract |
集中豪雨や台風などの気象現象のメカニズム解明には、風速、気温、水蒸気量といった大気熱力学を支配するパラメーターを高い時間、空間分解能で同時に精密観測することが必要である。本研究では、京都大学生存圏研究所のMUレーダーや赤道大気レーダー、さらに400MHz帯ウインドプロファイラにRASSを適用してこれらを高い分解能で観測し、気象擾乱に伴うこれらの時空間変動の特性を解明する。特に台風や梅雨に伴う豪雨の頻発地域である沖縄に着目し、情報通信研究機構(NICT)沖縄亜熱帯計測技術センター大宜味大気観測所の400MHzウインドプロファイラにRASS機能を付加した。またさらにRASSの鉛直分解能を向上させるために、周波数領域干渉計イメージングの技術をRASSに適用する新技術開発を推進した。具体的内容は以下の通りである。 1. ウインドプロファイラ・RASS観測 信楽MU観測所、赤道大気レーダーにおけるRASS観測を実施した。また、亜熱帯域のRASS観測を実現するため、沖縄に設置された400MHzウインドプロファイラでRASSを実現するためのホーンスピーカー、オーディオアンプ、スピーカーケーブル等を整備した。これにより大気境界層から中部対流圏を1台のウインドプロファイラで観測することが可能となり、実際に観測を行った結果温度逆転層構造が変化する様子を時間連続的に得ることに成功した。なお、平成18年11月に落雷によりレーダー装置が破損しその修理に時間がかかったため本格的な観測実験開始を平成19年度に実施するため国内出張旅費、観測用消耗品を繰り越した。平成19年度前半に連続観測を実施するための開発を行い、平成20年2月から連続観測を開始した。 2. レーダー干渉計による温度の微細鉛直構造観測 レーダー中心周波数を変化させて異なる中心周波数での受信電波の受信信号からレーダー探査領域内の微細構造を知ることができる。この周波数領域干渉計イメージング技術をMUレーダー・RASS観測に応用することでレーダーレンジゲート内の微細温度構造を観測することに成功した。
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