2007 Fiscal Year Annual Research Report
衛星データによる積雪物理量抽出アルゴリズムの精度向上と地上検証手法についての研究
Project/Area Number |
18340146
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
青木 輝夫 Japan, Meteorological Research Institute, 物理気象研究部, 室長 (30354492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒玉 裕二 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (70186708)
小林 隆久 気象庁気象研究所, 気象衛星・観測システム研究部, 室長 (40343892)
杉浦 幸之助 海洋研究開発機構, 地球環境観測研究センター, 研究員 (80344307)
田中 悦子 気象庁気象研究所, 物理気象研究部, 研究官 (70442738)
朽木 勝幸 気象庁気象研究所, 物理気象研究部, 研究員 (80442739)
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Keywords | 衛星リモートセンシング / 積雪粒径 / MODIS / 南極 / サスツルギ / 全天分光日射計 / 積雪不純物濃度 / 黒色炭素 |
Research Abstract |
Terra/Aqua衛星MODISセンサの波長1.6μmチャンネルを用いたリモートセンシングにより、2003-2004年の南極氷床表面における積雪粒径の時空間分布を求めた。内陸高原域では標高が高いほど粒径が小さい標高依存性がみられ、春から夏に粒径が増加、夏から秋に粒径が減少する季節依存性があることが分かった。「みずほ基地-ドームふじ」ルート上で求めた積雪粒径の変動には、雪面形態(光沢雪面、サスツルギ)の分布と対応していることが確認された。ドームふじで撮影された結晶写真による粒径との比較を行った結果、衛星から抽出した積雪粒径は、結晶写真による粒径よりもやや過小評価であることが分かった。 南極氷床上の積雪粒径リモートセンシングに対するサスツルギの効果を分光反射率観測と放射伝達モデルから検証した。人工的に凹凸をつけた積雪面における反射率の測定を行ったところ、反射率は凹凸の高さだけでなくその向きにも依存して変化することが確認された。MODISセンサが観測した南極点における反射率には、幾何条件が一定であるにもかかわらず、太陽方位に伴って日周期の変動が見られた。これらの反射率の変化は、サスツルギを考慮した3次元放射伝達計算により再現できることがわかった。 2007-2008年冬期に北海道の札幌と芽室において全天分光日射計による積雪アルベドの測定を行った。その結果から、積雪不純物濃度と積雪粒径を抽出した。不純物濃度は郊外に位置する芽室に比べ、都市部である札幌で高い値となっている。札幌では積雪サンプルの分析から得られた不純物濃度の実測値に比べて1桁程度過大評価されており、不純物としてモデルで仮定した鉱物性ダストだけでなく、より光吸収性の強い黒色炭素などが含まれていたことを示唆する。積雪粒径は積雪断面観測から得られた実測値と概ねよく一致した。
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Research Products
(4 results)