2008 Fiscal Year Annual Research Report
衛星データによる積雪物理量抽出アルゴリズムの精度向上と地上検証手法についての研究
Project/Area Number |
18340146
|
Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
青木 輝夫 Japan, Meteorological Research Institute, 物理気象研究部, 室長 (30354492)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 裕二 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (70186708)
朽木 勝幸 気象庁気象研究所, 物理気象研究部, 研究官 (80442739)
庭野 匡思 気象庁気象研究所, 物理気象研究部, 研究官 (10515026)
|
Keywords | 衛星リモートセンシング / 積雪粒径 / MODIS / 南極 / サスツルギ / 全天分光日射計 / 積雪不純物濃度 / 黒色炭素 |
Research Abstract |
Terra衛星MODISセンサで観測された2003-2004年の南極点における反射率の日変化から、積雪粒径とサスツルギ(雪面の凹凸)の高さと間隔の比・方位角を推定した。積雪粒径の推定値は日射量の増加や気温の上昇に伴って11月から1月にかけて増加し、その後減少した。サスツルギの高さと間隔の比は12月に最大約0.1となり、2月にかけて減少した。サスツルギの方位角は期間中3-30°で大きな変化はなく、平均風向とほぼ一致した。これらの推定結果は過去の現場観測値と比較して妥当な結果であり、氷床表面ラフネスが規則的な場合には、多方向反射率から積雪粒径と同時に氷床表面ラフネス(大きさ、方向)を推定できる可能性が示唆された。 2007/2008冬季の札幌と芽室における全天分光日射計観測から積雪不純物と積雪粒径を推定し、実測値と比較検証した。すす換算の不純物濃度の推定値を元素状炭素(EC)濃度の実測値と比較すると、小粒径の時には表層の値と、大粒径の時には深層の値との相関が良かった(相関係数R=0.68)。異なる波長から推定された3種類の積雪粒径は、積雪断面観測から得られた粒径の実測値とR=0.85-0.94で良く一致した。本装置によって推定された積雪物理量は衛星プロダクトに比べて実測値との相関が高く、衛星リモートセンシングの検証に利用できることが示された。 札幌の過去5冬期間の積雪サンプルを用いて、積雪中に含まれるダスト、EC、有機炭素(OC)の各濃度を、濾過フィルター重量濃度とカーボン分析装置によって測定した結果、全期間を通じた変動幅は、ダスト:0.2-800ppmw、EC:0.01-2ppmw、OC:0.05-20ppmwであった。3種類の不純物濃度は、常にダストが最も高く、ECが最も低かった。光吸収が強く気候への影響が大きなECの札幌におけるバックグラン度濃度は、北極域の高濃度時のレベルであった。
|
Research Products
(15 results)