2007 Fiscal Year Annual Research Report
磁気圏加速電子との相互作用による大気微量分子の組成変動機構の観測的研究
Project/Area Number |
18340150
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長濱 智生 Nagoya University, 太陽地球環境研究所, 准教授 (70377779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 亮 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (80212231)
前澤 裕之 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (00377780)
三好 由純 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (10377781)
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Keywords | 超高層大気環境 / 超高層物理学 / 地球観測 / 中間圏 / 磁気圏・電離圏 / 大気微量分子 / 加速電子 / オゾン |
Research Abstract |
本研究は太陽活動に伴う高エネルギー粒子の大気侵入による中間圏の微量分子組成への影響を観測的に明らかにし、それを定量することで組成変動機構の解明を進めることを目的とする。本年度は多周波同時高周波数分解能デジタル分光計をアタカマ砂漠のミリ波観測装置に組み込んで中間圏オゾン、NOx、HOx等、高エネルギー粒子の影響を受ける分子のスペクトルの検出を試みた。その結果、高度4,800mにおいては高速A/D変換器及びFPGAの冷却不足により動作時の装置温度が80℃を越え、分光計の連続動作が困難であることがわかった。時間的な制約から、他の観測に用いていた広帯域デジタル分光計(アキリス社・AC240)に新たに冷却機構を取り付ける改造を行い、本研究に用いることにした。付属の冷却ファンを外部大型シロッコファンに変更し、A/D変換器とFPGAには冷却用放熱フィンを新たに取り付け、冷却効率の向上を図った。減圧チャンバーを用いて高度5,000m相当の環境での動作試験を行ったところ、室温30℃のときA/D変換器とFPGAともに55℃以下で連続動作することを確認した。これらの成果はAOGS2007の招待講演で口頭発表した。また、アタカマ砂漠での中間圏HO_2、NO_2スペクトルのシミュレーションデータを使い、観測で得られる高度分布の精度を評価した。250GHz帯においてHO_2、NO_2スペクトルを6時間積分で観測した場合、高エネルギー粒子侵入時には高度10kmの分解能でHO_2、NO_2の増加が有意に検出できることがわかった。さらに、昨年度に引き続き解析に必要な気象データ、太陽活動及び磁気圏加速電子のデータの整備を行った。気象データはUKMOデータにCIRA86気候値を使って高度80kmまで延長した日々の気象データを整備した。また、NOAAやGOES衛星による高エネルギー粒子フラックス等のデータの整備を行った。
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