2007 Fiscal Year Annual Research Report
中緯度電離圏における力学的・電磁力学的上下結合過程の研究
Project/Area Number |
18340151
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 衛 Kyoto University, 生存圏研究所, 教授 (20210560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深尾 昌一郎 京都大学, 生存圏研究所, 研究員(学術研究奨励) (30026249)
齋藤 昭則 京都大学, 理学研究科, 助教 (10311739)
大塚 雄一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (40314025)
斎藤 享 独立行政法人情報研究開発機構, 電磁波計測部門, 専攻研究員 (40392716)
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Keywords | 地球惑星電離圏 / F領域E領域相互作用 / 中緯度電離圏 / レーダー観測 / FERIX |
Research Abstract |
電離圏では電離圏プラズマと背景の(電気的)中性大気が密接に相互作用している。プラズマ密度の空間不均一に中性風が加わって分極電界が発生し磁力線に沿って伝播することから、遠く離れた電離圏の相互作用が生じる。本年度は、中性大気から電離圏プラズマへの力学的相互作用と、磁力線を通じた電離圏の上下層間の電磁力学的相互作用の解明を目的として、下記の研究成果を得た。 ○「課題2:F領域E領域FAIカップリングの統合観測実験」のため、電離圏イレギュラリティ(FAI)の同時観測FERIX-2を実施した(4月〜9月)。可搬型レーダーを酒田市(本体)と新潟市(受信専用装置)、大気光イメージャを胎内市に設置・運用した。レーダーデータ解析には「課題3:MUレーダーイメージング観測によるFAI微細構造の観測」によって開発されたイメージング観測手法を活用した。F層FAIが南西伝搬する波長数100kmの波動(中規模TIDに相当)と北西伝搬する数10kmスケールの小規模構造から構成されることを明らかにした。電離圏相互作用については、F層FAIとE層FAIは同時に活発化するが、それぞれの小規模構造は磁力線で繋がれた相補的な位置に現れることを明らかにした。 ○JAXA宇宙科学研究本部によるS-520-23号機ロケット実験に参加し、ロケット-地上間の電離圏ビーコン実験を行った。ロケットは9月2日にJAXA内之浦宇宙空間観測所から打上げられた。漁船を借上げ、海上を飛翔するロケット軌道の下からの観測を初めて成功させた。残念ながら打上げ約2分後にビーコン送信機の不調が発生したが、一定の観測データを得た。 ○1月7-8日に関係者によるワークショップを開催し、本年度の観測実験の初期結果の報告と議論を行った。また「課題1:ブレーンストーミングによる大気圏・電離圏相互作用研究の新展開」に関する議論を行った。
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Research Products
(13 results)