2007 Fiscal Year Annual Research Report
新観測技術を用いた熱圏下部大気の3次元空間構造の研究
Project/Area Number |
18340152
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 卓司 Kyoto University, 生存圏研究所, 准教授 (40217857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 和夫 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (80226092)
川原 琢也 信州大学, 工学部, 准教授 (40273073)
堤 雅基 京都大学, 国立極地研究所・宙空圏研究グループ, 准教授 (80280535)
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Keywords | 中間圏下部熱圏 / レーダー / ライダー / 大気光 / 大気重力波 / 流星 / 大気潮汐波 / ナトリウム層 |
Research Abstract |
(1)MUレーダー超多チャンネル流星観測 MUレーダー流星風観測の高度化を行なった。25chの超多チャンネルの複素受信信号を用いてイメージングを行い、飛跡の位置を正確に求めて低仰角の流星エコーまで正確に高度を計測し、これにより風速測定精度の向上を行なった。 (2)MUレーダーマルチスタティック化観測 MUレーダーの外部受信機およびデータ取得装置を開発作成し、同装置を用いて4地点での多地点観測を実現した。この間GPS電波による周波数および送信タイミングの同期の手法について観測上必要な知見を得た。さらに、MUレーダー単体で求める風速の水平分布に比べて大幅に精度改善した空間分布推定の開発を進めた。 (3)ナトリウム温度ライダー観測 今年度はライダーによる温度プロファイル観測の時間を大幅に増やすことに成功した。さらにSABER衛星との比較や波長計の較正等で温度のバリデーションを行なった。また、狭帯域の受信フィルターを導入し、昼夜にわたるMLT領域の温度プロファイル観測に発展させる実験を行なった。これまで得られなかった温度プロファイルデータを使用することで、大気の安定度を用いたシア不安定イベントの解析やナトリウム組成データも用いた鉛直混合イベントの解析など、レーダーやイメージャとの同時観測データによるMLT領域の力学・組成過程の詳細を明らかにした。 (4)総合観測(光電波協同観測) 大気光イメージャを整備して2点観測の準備を進めるとともに、カナダから海外共同観測者(W.Ward氏)を招き(JSPS招へい学者)、新開発の風速イメージング装置WAMIを信楽MU観測所に持ち込んでOMTIとも協同で本格的な大気光光学観測による水平微細構造の観測を行なうキャンペーンの準備を行なった。また、20年度に行なうキャンペーン観測の詳細を議論した。 以上のように本課題は順調に進展している。
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