Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川幡 穂高 東京大学, 海洋研究所, 教授 (20356851)
松田 博貴 熊本大学, 理学部, 教授 (80274687)
横山 祐典 東京大学, 大学院理学系研究科, 講師 (10359648)
杉原 薫 福岡大学, 理学部, 助手 (90320275)
藤田 和彦 琉球大学, 理学部, 助手 (00343377)
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Research Abstract |
国際統合深海掘削計画第310次航海(タヒチ島の海水準変動)では,2005年10月6日〜11月16日にOnshore Partyを,2006年2月13日〜3月4日にOffshore Partyが実施され,今年度は,各自が試料の分析に従事した.なかでも,横山,杉原,藤田は,以下の特筆すべき成果を挙げた.横山はタヒチ島で掘削された後氷期の礁性堆積物の3層準からハマサンゴを採取し,放射性炭素年代を測定した.その結果,10〜13kaの年代であるという年代値を得た.現在,それらのサンゴの生育時の大気循環情報を得るために,鉛の同位体比変動が有意であるか否か,基礎実験を行っている.杉原は,タヒチ島北西部の現世サンゴ礁の礁斜面で行った造礁サンゴ群集の生態分布調査により,11の造礁サンゴ群集の垂直分布を明らかにしたうえで,タヒチ島で掘削された後氷期の礁性堆積物中には,現世造礁サンゴ群集と対応づけられる7つの造礁サンゴ化石群集が認められ,どの掘削地点でもコア試料の下部から上部に向かって,礁斜面上部〜中部の造礁サンゴ化石群集から礁斜面下部の造礁サンゴ化石群集に遷移すること(上方深海化)を明らかにした.藤田は、タヒチ島南西沖の掘削地点5Dのコア試料を中心に有孔虫の群集組成を検討し,セクション26R〜16Rで,海水準が約100m上昇したことを示す証拠を得た.これは更新世の氷河性海水準変動を反映したものであり,最終氷期以前の海水準変動を復元するために有用である. なお,2006年7月には,1st Post-cruise Meetingが行い,Expedition Reportの原稿を作成した.これは,2007年2月に"Proceedings of the Integrated Ocean Drilling Program, Volume310 Expedition Reports, Tahiti Sea Level"として出版された.
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