2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18340167
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
永井 隆哉 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 准教授 (20243131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍵 裕之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (70233666)
佐多 永吉 北海道大学, 海洋研究開発機構・地球内部変動センター, 技術研究副主任 (60371720)
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Keywords | MgCO3 / SiO2 / ダイヤモンド / 下部マントル / Fe3C / Fe7C3 / 高温高圧実験 |
Research Abstract |
本研究ではこれまで、下部マントル起源のダイヤモンドの成因を探ることを目的に、炭酸塩単体としては地球深部条件まで最も安定であると考えられているmagnesite(MgCO_3)の下部マントル条件下での安定性を、地球の沈み込むスラブ中でありうるSiO_2との共存下ではどうなるか、また、鉄炭素化物であるcementite(Fe_3C)の下部マントル領域での安定性を明らかにする実験的研究を行った。 その結果下部マントルの最上部に相当する圧力・温度条件で、 MgCO_3(magnesite)+SiO_2(stishovite)→MgSiO_3(perovskite)+CO_2 の反応が起こり、さらに下部マントルの中央部に相当する温度・圧力領域ではCO_2が分解してダイヤモンドの生成が起こることを回収物の透過電子顕微鏡観察から明らかにし、下部マントルの深さ2000km程度までの圧力と温度条件で、Magnesiteを原料としダイヤモンドの生成する温度圧力条件を高温高圧下放射光その場回折実験から決定することに成功した。この結果は、地球内部条件でのCO_2の相関系が重要であることを意味する。 また、Fe_3CはFe_20_3のような3価の鉄を含有する鉄酸化物が共存すると、高温高圧下で反応が起こり、Fe_7C_3が生成し、さらに共存する鉄酸化物の3価の鉄を還元しFeOを生成させることが明らかになった。この結果は、現実のように酸化鉄の中に含まれたFe_3Cが地下深部にもたらされた場合、より炭素に富んだ鉄炭素化物Fe_7C_3を生ずるが、ダイヤモンドを精製するような反応は起こらないことが明らかとなった。
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