2007 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙風化作用による天体反射スペクトル変化の実験研究:新しい太陽系年代学へ
Project/Area Number |
18340176
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
佐々木 晶 National Astronomical Observatory of Japan, RISE推進室, 教授 (10183823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 寛大 国立天文台, RISE推進室, 助教 (10353426)
杉田 精司 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (80313203)
安部 正真 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 准教授 (00270439)
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Keywords | 地球惑星物質 / 惑星探査 / 太陽系天体 / 年代 / 小惑星進化 / 宇宙風化作用 |
Research Abstract |
月岩石・隕石の実験室での反射スペクトルと月・小惑星の天体観測スペクトルには大きな違いがある。観測スペクトルは、全体的に暗く、波長が短いほど反射率が低い「赤化」の傾向があり、輝石やカンラン石に特有の1ミクロンの吸収帯が相対的に弱い。この月・小惑星表面の反射スペクトルの変化は、シリケイト中に含まれる酸化鉄が、高速ダスト衝突により還元されてナノメートルスケールの金属鉄微粒子となる「宇宙風化作用(Space Weathering)」と呼ばれる過程で天体表面が変成されたためと考えられている。 本年度は、昨年導入した、反射スペクトル測定のために、近紫外・可視から近赤外域(250-2600nm)の領域の二方向反射率を入射・反射方向可変で取得できる装置の改良を行った。自動コントロールが可能なようにコントローラを配備した。これにより、宇宙風化作用を模擬したパルスレーザを照射した隕石資料の可視・近赤外スペクトルが連続的に測定できるようになった。検出器の切り替えによる反射スペクトルのギャップを無くすために、検出器ごとにデータを保存して、波長をオーバーラップさせる機能を新たに導入して連続した反射スペクトルを測定した。小惑星イトカワ表面を模擬するためLL,L型隕石の粉末隕石試料だけではなく、岩片試料の反射スペクトル(風化前および風化シミュレーション後)を測定した。測定したスペクトルを小惑星と比較して、年代の若いと考えられるイトカワでの岩石風化による宇宙風化作用が進行していることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)