2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁気異方性およびスピンカイラリティに関する理論的研究
Project/Area Number |
18350008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 兆 Osaka University, 極限量子科学研究センター, 特任教授 (80029537)
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Keywords | 軌道 / スピン / 電荷 / 近似遮蔽 / エネルギー勾配法 / ヘモシアニン / 鉄イオウ錯体 / P450 |
Research Abstract |
本年度は化学反応における軌道、スピン、電荷、およびカイラル対称性の破れとその回復について研究を進めた。まず、電子相関効果の強い電子系を有する分子系の構造最適化法として対称性の破れた密度汎関数法(DFT)に近似スピン射影により対称性の回復を行ったエネルギー勾配法(AP-OPT)を開発し、ヘモシアニン酵素の性サイトである二核銅酸化物錯体の構造最適化に適用しその有効性を確立した。また、ヘモシアニン酵素に酸素分子が付加した酸化型錯体の化学結合指数を求め、化学結合様式を解明した。さらに、AP-OPT法を強相関電子糸の典型例であるCr-Cr4重結合の結合エネルレギーと結合距離の計算に適用し実測値を良く再現することを示した。次に、イオンラジカル種や混合原子価錯体では分子自体の空間対称性が存在するにも関わらず種々の計算法でスピンおよび電荷密度分布の対称性が破れることが知られている。しかし、これらBroken-Symmetry(BS)解の共鳴效果を考慮するResonating Broken-Symmetry(RBS)法ではこれらの対称性が回復することが示された。次に、BS法を種々の有機物のヒドロキシ化反応を触媒するP450の電子構造解析に適用し、この反応系では基底状態でも2重項から6重項まで必要に応じてスピン対称性が実際に変化し、実験結果を良く再現することが分かった。さらに、P450の酸化反応経路を解明するために、各種遷移状態構造と中間体をBS型DFTにより決定し、配置依存反応相関図を構築することに成功した。さらに、RBS法により反応の状態相関図を求め、局所的スピンクロスオーバー現象などを解明した。また、4鉄イオウ錯体では酸化還元ポテンシャルに対する水素結合効果も検討した。さらに、カイラル対称性に関与するDMパラメータの計算を実行した。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Theory of Chemical Bonds in Metalloenzymes. VII. Hybrid-Density Functional Theory Studies on the Electronic Structures of P452008
Author(s)
M. Shoii, H. Isobe, T. Saito, H. Yabushita, K. Koizumi, Y. Kitagawa, S. Yamanaka, T. Kawakami, M. Okumura, M. Hagiwara, K. Yamaguchi
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Journal Title
Int. J. Quant. Chem. 108
Pages: 631-650
Peer Reviewed
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