2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18350018
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
武田 猛 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (40111455)
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Keywords | 二価チタノセン / オキサチタナシクロペンタン / チタナシクロペンテン / オキサチタナシクロブテン / チタナシクロブテン / アルケニル化 / チタン-ビニルビニリデン錯体 / チタン-アルケニルカルベン錯体 |
Research Abstract |
本年度は各種5、4員環チタナサイクルの形成とその反応性について検討し、以下の成果を得た。 1.二価チタノセン、脱離基を持つアルケンおよび不飽和化合物から生成する5員環チタナサイクルを経由する炭素-炭素結合形性反応----二価チタノセン存在下、(Z)-アルケニルスルホンにアルテヒドを作用させるとオキサチタナシクロペンタンを経由してアリルアルコールがE-選択的に生成した。カルボニル化合物のかわりにアルキンを作用させると、チタナシクロペンテンの形成を経て反応が進行し、共役ジエンが立体選択的に得られた。この反応を脱離基であるスルホニル基を持つアルキニルスルホンに拡張すると、チタナシクロペンテンのβ脱離を伴う開環により生じたα-スルホニルジエニルチタン化合物がさらに二価チタノセンにより還元され、チタンービニルビニリデン錯体が生成した。これにカルボニル化合物を作用させるとアルケニルアレンがE-選択的に生成した。α,β-不飽和カルボニル化合物を用いた場合にはジアルケニルアレンが得られた。 2.γ-クロロアリルスルフィドと二価チタノセンの反応----γ-クロロアリルスルフィトから様々な置換様式のチタナシクロブテンを合成し、その反応性を調べた。その結果チタナシクロブテンは基本的にその原子価互変異性体であるアルケニルカルベン錯体と平衡的に存在し、その平衡は置換基の位置に依存していることが明らかとなった。 3.チタン-シクロプロピリテン錯体、チタンマルチカルヘン錯体の生成と反応----チタン-シクロプロピリテン錯体、マルチカルベン錯体をそれぞれ1,1-ジクロロシクロプロパン誘導体、マルチチオアセタールと二価チタノセンの反応により合成し、カルボニル化合物との反応を検討したところ、オキサチタナシクロブタン中間体を経由して、相当するオレフィン化生成物が得られることが分かった。
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