2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18350018
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
武田 猛 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (40111455)
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Keywords | 二価チタノセン / オキサチタナシクロペンタン / チタナシクロペンテン / オキサチタナシクロブテン / チタナシクロブテン / アルケニル化 / チタンーアルケニルカルベン錯体 / チタンーシクロプロピリデン錯体 |
Research Abstract |
本年度は各種5、4員環チタナサイクルの形成とその反応性について検討し、以下の成果を得た。 1.不飽和化合物と二価チタノセンの反応によるチタナシクロペンテンの形成と分解 アルケニルスルホンとアセチレンカルボン酸誘導体との反応による五員環チタナサイクルの形成と、その加水分解によるジエンカルボン酸誘導体の合成について検討した。エステルを用いた場合には、アルキンに由来する二重結合の立体選択性が発現しないのに対して、カルボン酸リチウムを用いると立体選択的に反応が進行した。アルキニルホスホン酸のアルケニル化反応も完全な立体選択性で進行することが判った。 2.ジヘテロ原子化合物と二価チタノセンの反応による四、五員環チタナサイクルの形成 ビス(フェニルチオ)メチル基が2あるいは4個置換したシランあるいはゲルマンに二価チタノセンを作用させると脱硫的還元反応が進行し、シラあるいはゲルマチタナサイクルが生成した。ゲルマニウム原子を中心に持つスピロ型メタラサイクルについてはX線結晶構造解析によりその構造を決定した。 3.チタナシクロブテンの形成とその反応性 チオアセタールから誘導されるチタン-アルキリデン錯体とアルキニルスルホンの反応によるチタナシクロブタンの形成とβ脱離により生成するプロパルジルチタン化合物とケトンとの反応により、syn-第三級ホモプロパルギルアルコールが立体選択的に得られることが判った。また、チタンーシクロプロピリデン錯体とアルキンの反応により、シクロプロパン環がスピロ結合したチタナシクロブテンが生成することが判った。ビシクロ[4.1.0]ヘプタンが置換したチタナシクロブテンは水や酸素に対しても安定であり、結晶として単離し、X線結晶構造解析によりその構造を決定することができた。これらチタナサイクルの加水分解により、合成中間体として有用なアルケニルシクロプロパンが得られた。
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