2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18350019
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
草間 博之 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (30242100)
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Keywords | レニウム / 1,3-双極子 / 3+2付加環化 |
Research Abstract |
近年の有機合成において、様々な遷移金属化合物が反応試剤として頻繁に利用されているが、その一方で、これまで有機合成にあまり利用されたことのない遷移金属も未だ存在する。これらの金属は性質が未知の部分が多いだけに、従来にない特徴的反応性を示すことも期待される。本研究では、そのような金属の一つであるレニウムに着目し、レニウム化合物の特性を活かした新規、かつ高効率的な合成反応の開発を目的とし、主に、低原子価レニウムによるアルキンの求電子的活性化に基づく多環性炭素骨格構築法の開発について検討を行った。 その結果、低原子価レニウムカルボニル化合物がアルキンの求電子的活性化剤として高い活性を有することを見いだした。この性質を利用してアルキンのジェミナルアルキル化という新形式の反応を開発し、合成化学的に有用なビシクロ[3.3.0]オクタン誘導体が効率よく合成できることを明らかとした。また、この手法は、含窒素双環性化合物の合成にも適用可能であることを見いだしている。さらに、近年アルキンの求電子的活性化剤として注目されている白金、金化合物をはじめとする多様な金属化合物との比較検討を行った結果、レニウム、タングステン、白金、金など第六周期金属化合物が高い触媒活性を有することを明らかにすることができた。 また、アルキンの求電子的活性化を基盤とした新規含窒素複素環化合物の合成手法の開発にも取り組み、o-アルキニルアニリンから調製したイミン誘導体に対して、ビニルエーテル類の存在下でタングステン、レニウム等の触媒を作用させると、新規な反応活性種である金属含有アゾメチンイリド種を経由した付加環化反応が進行し、多環性インドール誘導体を高収率で与えることを見いだした。
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Research Products
(4 results)