2006 Fiscal Year Annual Research Report
音響応答性分子集合の精密制御に基づく機能性物質の創製
Project/Area Number |
18350022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
直田 健 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (20164113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今田 泰嗣 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教授 (60183191)
小宮 成義 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助手 (00301276)
高谷 光 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助手 (50304035)
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Keywords | パラジウム錯体 / 瞬時ゲル化 / 超音波 / 分子集合 / 流動性制御 |
Research Abstract |
著者らは、メチレン鎖をスペーサに有するtrans-ビス(サリチルアルジミン)2核パラジウム錯体anti-1を設計し、この錯体が従来にない動的挙動を示す(秒単位の音響照射で安定溶液が瞬間的に分子集合を起こす)ことを見出している。本研究では、同様の音響応答スイッチングを起こす分子素子を探索し、その分子構造と作用の相関を精密に検討することで、音響応答性分子素子開発のための設計指針の構築を行った。金属と配位子の配位平面の折れ曲がりと平面化の制御が音響によって行える原理を種々の化合物へと応用するため、現時点で最も高い音響応答性を発現する分子種anti-1をリード化合物とし、(1)芳香環、イミンα位へ共役系あるいは電子的影響の大きい置換基を導入(2)dz^2軌道の性質が異なる各種遷移金属を中心金属に設定(3)金属配位部位の窒素、及び酸素原子を他のヘテロ原子に変更、(4)各種スペーサ長(n=5-7)(5)スペーサ部位への置換基導入を施した類似化合物の合成等を行った。また、種々の金属配位平面を2枚有する同族錯体を、同様の方針に従い多数合成した。これらの錯体において、d-π共役の強度や分子内-分子間スタッキング相互作用のバランス、超音波非照射時における分子内、分子間スタッキングの強度、フリッピング挙動等の溶液内における動的挙動を核磁気共鳴等の分光学的手法で検討するとともに、これらの分子種の音響応答性を、初期会合の分光学的直接観察や熱力学的、速度論的検討を行うことにより、ゲル化の機構に関する基礎的な知見を得た。
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Research Products
(9 results)