2007 Fiscal Year Annual Research Report
音響応答性分子集合の精密制御に基づく機能性物質の創製
Project/Area Number |
18350022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
直田 健 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (20164113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今田 泰嗣 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (60183191)
小宮 成義 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (00301276)
高谷 光 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (50304035)
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Keywords | パラジウム錯体 / 瞬時ゲル化 / 超音波 / 分子集合 / 流動性制御 |
Research Abstract |
著者らは、ペンタメチレンスペーサを有するtrans-ビス(サリチルアルジミン)2核パラジウム錯体anti-1が、秒単位の音響照射で安定溶液を瞬間的にゲル化させる新現象を見出している。本年度は「集合様式の研究」として、aggregation polymerizationの概念確立とリビング集合の精密制御に関する研究を行った。この分子集合では、(1)"A"型分子構造で配座的にself-lockした洗濯バサミ様分子が超音波の照射によって"H"型配座状態で内部貫入による2分子会合を起こし、長寿命化学種を生成すること、(2)この"HH"型会合体は約7Åの剛直な空孔を有するため、きわめて高い会合能を有し、"A"型の非会合体と不可逆的に順次ヘテロキラル会合することによって電車連結型の集合構造体が得られることが明らかとなった。UVおよびNMR活性のある非会合体のシグナル消失に基づく速度論的検討、X線結晶構造解析等で、この反応機構を合理的に説明できることが明らかとなった。さらに、本集合では、得られた少量のゲルを開始剤に用いる新形式のゲル化gel-initiated gelationを見出し、集合末端が口をあけたまま、新たな成長反応を待つ「リビング性」を有することが示された。
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Research Products
(27 results)