2007 Fiscal Year Annual Research Report
錯体化学を基盤とした外場応答型動的らせん反転システムの開発と機能化
Project/Area Number |
18350032
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三宅 弘之 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 准教授 (00271198)
|
Keywords | 金属錯体 / らせん / 不斉 / 置換活性 / 外部刺激 / アニオン / ペプチド / 分子運動 |
Research Abstract |
本基盤研究では、光学活性4座配位子からなる置換活性な遷移金属錯体のアニオン応答性ヘリシティー反転システムを基盤として、新しい機能性分子スイッチングシステムへの展開を図った。本年度はこのシステムの一般化と、さらなる機能性の付加を目指し、以下の点において成果を収めた。 (1)錯体ヘリシティーの反転を活用した高分子らせん構造の反転制御 ペンタペプチドを縮合させた光学活性4座配位子を合成し、金属錯体化を行った。ペプチド型配位子および金属錯体の構造をNMR、CD、X-線結晶構造解析法を用いて精査し、それららせん構造を明らかにした。さらに、アニオン刺激による金属錯体部位のヘリシティー反転に応答したペプチドらせんの反転にも成功した。また、中心金属イオンの種類に応答した反転速度の精密制御も可能であった。このように、金属錯体のキラル情報をペプチド鎖へ伝達し、ペプチドらせん構造を制御できることが明らかになった。 (2)酸-塩基に応答した伸縮-らせん反転連続運動錯体分子の開発 アミド基の金属中心への配位結合の異性化反応を活用して、酸-塩基の添加によるらせん分子の伸縮運動が可能になった。さらに、アニオン刺激を併用すると、伸縮運動とらせん反転運動の連続運動も可能になった。 これらの自在な錯体ヘリシティー反転プログラミングは、従来の配位立体化学に運動性を付与する新しい方法論であり、今後さらに発展可能な興味ある分子スイッチング系である。
|
Research Products
(16 results)