2006 Fiscal Year Annual Research Report
リポソームを利用する高感度な化学発光分析用ナノリアクターの開発
Project/Area Number |
18350037
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上舘 民夫 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (70185990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 博文 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (10271644)
石田 晃彦 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (20312382)
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Keywords | ペルオシダーゼ / ルミノール / 化学発光 / ナノリアクター |
Research Abstract |
1.ペルオキシダーゼ内封リポソームの調製 ポアサイズ1000nmのポリカーボネイトフィルターを使用した押出し法により、膜構成成分がフォスファチジルコリン、フォスファチジルグリセロールおよびコレステロールからなるリポソームの内水相にペルオキシダーゼ(POD)を封入した。調製したPOD内封リポソームについてキャラクタリゼーションを行った。その結果、PODの保持効率は約10%、平均粒子径は約600nm、また、内封されたPODの分子数は約1200であった。 2.標準系とリポソーム系の化学発光応答曲線の比較 PODがバルク溶液に存在する場合(標準系)とPODがリポソームの内水相に存在する場合(リポソーム系)について、ルミノールと過酸化水素を添加して化学発光反応を行った。その結果、リポソーム系ではルミノールの膜透過の影響により、標準系と比較して発光速度は減少したが、ルミノールが順次膜内に供給されるために反応効率が増大し、全発光量は増大することが明らかになった。 3.標準系とリポソーム系におけるPODの検出感度の比較 標準系およびリポソーム系について、ルミノール化学発光によるPOD検出の最適条件を検討した。その結果、ルミノールおよび過酸化水素の最適濃度は、標準系と比較してリポソーム系のほうが高濃度なった。最適濃度条件でPODの定量下限を求めたところ、標準系では3.0x10^<-9>M、リポソーム系では1.0x10^<-9>Mとなり、リポソームの内水相をナノリアクターに用いると、より高感度にPODの検出ができることが明らかになった。
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