2008 Fiscal Year Annual Research Report
液中微粒子のレーザー光泳動における非線形現象の解明と分析化学的応用
Project/Area Number |
18350042
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
文珠四郎 秀昭 High Energy Accelerator Research Organization, 放射線科学センター, 教授 (80191071)
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Keywords | レーザー光泳動 / 光熱変換 / 非線形現象 / 気泡 / マランゴニ効果 / 界面張力 |
Research Abstract |
1.微粒子周囲媒体の温度の観測:有機溶媒中での気泡のレーザートラップ現象に対する媒体の温度上昇の効果を明らかにするため、媒体中に蛍光試薬を溶かし、その蛍光強度を高感度顕微CCDシステムにより観測した。この結果、レーザー照射中のキャピラリー内の温度分布を可視化することができた。光熱変換によりキャピラリー内には温度勾配場が生成し、この温度勾配が気泡の泳動駆動力として作用することが確認できた。駆動力の本質は気泡と媒体界面のマランゴニ効果によるものと結論づけた。 2.パルスレーザーを用いる光吸収性微粒子の光泳動挙動の観測:波長1064nm,532nm,355nm,266nmのパルスレーザーを用い、気中及び水中の光吸収性カーボン微粒子について実験を行ったが、パルス光泳動現象は観測できなかった。 3.連続光源を用いた光熱変換光泳動:キセノンランプを光源とした水中微粒子の光泳動観測に成功した。水中の色素含有微粒子の光泳動挙動に対する照射光波長の効果を明らかにした。光吸収性微粒子では、吸収による光の運動量の授受により泳動効率が高くなること、さらに微粒子周囲の温度上昇により泳動速度は照射光の強度に非線形に応答することがわかった。この結果より、光吸収特性の違いによる微粒子の光泳動分離の可能性を示すことができた。 4.この他、レーザー光の偏光状態と光泳動現象の関係を明らかにする基礎検討として、界面錯体のキラリティの測定を行った。
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Research Products
(5 results)