2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳を対象とするその場分子センシング法の新展開と脳機能計測への応用
Project/Area Number |
18350044
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
菅原 正雄 Nihon University, 文理学部, 教授 (50002176)
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Keywords | グルタミン酸 / 急性海馬スライス / グルタミン酸センサー / 神経ペプチド / リポソームアレイ / 酵素膜イメージング法 |
Research Abstract |
1. 化学刺激のもとでマウス海馬スライスの神経領野から放出されるグルタミン酸を連続的にreal timeに測定するための方法として、海馬スライスにグルタミン酸電極を10μm程度の深さに埋めこみ、グルタミン酸を測定する方法を開発した。その結果、塩化テトラエチルアンモニウム(TEA)刺激によってグルタミン酸が細胞外へ放出されることをはじめて示した。また、放出されるグルタミン酸濃度を評価した結果数μM程度であることが分かった。 2. 電気刺激のもとでマウス海馬スライスのCA1領野から放出されるグルタミン酸の連続測定を行った。その結果、2Hzの電気刺激によって放出されるグルタミン酸の計測に成功した。長期増強現象(LTP)が生起する場合には、細胞外グルタミン酸濃度が増加、長期抑圧現象(LTD)の場合には現象することが示された。 3. 神経ペプチドであるサブスタンスP及びニューロキニンAを同時定量できるリポソームアレイを開発した。本アレイではリポソームに内封した蛍光色素からの蛍光強度を直接測定する。 4. 複数の糖を同時に計測できるマルチ蛍光キャピラリーを開発した。グルコース及びガラクトースを対象に、それぞれの糖に対応する酸化酵素をキャピラリー内に固定化、酵素反応の結果生成する過酸化水素に基づく蛍光反応を利用し、イメージング技術により計測した。その結果、数μMレベルの糖を同時計測できることが分かった。 5. 急性海馬スライスから虚血時に放出されるグルタミン酸を可視化する酵素膜イメージング法の時空間分解能をガラス基板上に酵素を固定化することによって改善できた。
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