2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳を対象とするその場分子センシング法の新展開と脳機能計測への応用
Project/Area Number |
18350044
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
菅原 正雄 Nihon University, 文理学部, 教授 (50002176)
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Keywords | グルタミン酸 / 可視イメージング / 急性海馬スライス / パッチセンサー / キャピラリーセンサー / 脂質二分子膜 |
Research Abstract |
1.浸漬型及び界面型チャンバーに設置した急性海馬スライスについてキャピラリー酵素センサーおよびパッチセンサーを用いて得られるグルタミン酸濃度の確度を示すために両方法による結果の比較を行った。KC 1刺激およびTEA刺激についての神経領野CA 1での結果をまとめると、(1)埋め込キャピラリーセンサーで得られる濃度はスライス外濃度より高くなる、(2)両センサーを用いて得られたスライス外グルタミン酸濃度は,同じ値となる。(3)いずれもグルタミン酸濃度の時間変化は同じパターンを示すことを見出した。すなわち,いずれの方法によってもグルタミン酸濃度の時空間分布を正しく測定できる。 2.センシング素子(酵素GluOx)をガラス基板上に共有結合により固定化,酵素が細胞外液に浸透することを防ぎ化学的摂動を軽減できる酵素固定化基板を開発した。それをマウス脳スライス内のグルタミン酸放出のイメージングに応用,虚血刺激,Uptake阻害剤TBOA共存下でのKCI刺激により放出されるグルタミン酸フラックスの領野分布を明らかにした。既報での高分子膜固定化法を用いる虚血下のイメージングに比較して,本研究での酵素固定化膜法は拡散によるぼやけ(blur)のより少ないイメージングを可能にした。 3.電気生理学的劇激条件のもとで放出されるグルタミン酸の動態をキャピラリー酵素センサーを用いて検出することに初めて成功した。今後、LTPやLTDにおけるグルタミン酸を測定することにより、神経伝達物質側から分子機構を理解する手掛かりになると考えられる。
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Research Products
(4 results)